日本の状況については、経済、社会、政治のそれぞれの面を見なければならないと思います。
まず経済面ですが、このままでは、日本経済は縮小してしまうと言わざるを得ません。日本人の中に、中国に前を行かれ、世界第3位、アジア2位の経済規模となったときに、何をすべきか、どういった心の整理をすればいいか、どういった行動をとればいいかといった準備が出来ていませんでした。
1980年代に世界からはやされていた経済大国の思いにかられ、戸惑いが生じているのです。世界第2位ではなくなった経済規模における経済成長モデルを早期につくり上げないと縮小への淵へころがり込んでしまいます。
社会的に深刻なことでは、日本の若者の多くが勉強をしない、挑戦をしない、外国に関心をもたないという問題があります。また、日本人の心が荒んでいるように見受けられます。少子化によって結果的に人口が減ること等のマイナス面だけが強調され、プラス面を生かす、あるいはプラスにしていこうという意欲が現れていないことも問題です。
政治面では、新しい政策が明確でないことが問題だと思います。政治が経済を破壊してしまうのではないかという心配もあります。
レロンソン
経済大国日本は今後どのような道をたどっていくと思われますか?
井口様
日本は、衰退はしないと思います。ただし、現状のままでは伸びないでしょう。したがって、このままいってしまうと世界における日本の相対的な地位は下がっていってしまうのではと危惧しています。
日本は今後、新しい技術・ノウハウを開発することが非常に重要だと思いますし、その力はまだあります。また、技術を統合して新しいファンクションを生み出さなければなりません。日本にはその「力」がないのではなく、「意欲」がないことが問題だと思います。
また、医療・健康分野、観光、教育の分野が、日本の経済を変えていけるのではないかと思います。医療でいえば、例えば「アジアの医療センター」の機能をもつことを目標に掲げてはどうでしょうか。

レロンソン
大変興味深いお考えですね。
井口様
社会的なところでいえば、これはアクティブリッジさんに火をつけてもらわなければいけません。
KAIZEN吉田スクールのベトナム人技術者が多数日本で就業するようになると、その姿を日本の若者が目の当たりにします。また、ベトナム人は、日本の若者に仲間意識を持たせてくれます。ベトナムの若者が、成功した姿、誰もが憧れをもつ姿を見せることが、日本の若者の目を開かせるのです。
ベトナム人を育成し、経済的・精神的に豊かさを醸成する、これだけとっても、アクティブリッジさんの意義は大きいのですが、加えて、日本の若者に刺激を与えるような活動をしてくださることを期待しています。
かつて日本の若者が日本を背負って立つことができたのは、フルブライト留学生等でアメリカに渡り、日本に帰ってその経験を活かして貢献したことが大きいのです。それを日越間で行うことができればと思っています。